不動産購入における住宅ローンの種類は?選ぶポイントと金利タイプを解説

不動産購入における住宅ローンの種類は?選ぶポイントと金利タイプを解説

不動産を購入を検討する中で、どの金融機関から融資を受けるのが自分に適しているのか悩む方は多いです。
利率の安さだけで借り入れ先を決めてしまうと、総返済額が高くなる恐れがあるため、さまざまな要素を考慮しなければなりません。
こちらの記事では、不動産を購入するときに利用する住宅ローンの種類をお伝えしたうえで、選ぶポイントと金利タイプについて解説します。

不動産購入に利用できる住宅ローンの種類

不動産購入に利用できる住宅ローンの種類

不動産を購入するときに利用できる住宅ローンは、大きく3種類に分けられます。
それぞれ借り入れ額や審査基準が大きく異なるので、幅広い選択肢から自分に適した種類を選びましょう。
ここでは、それぞれの融資先の特徴について解説します。

民間融資

民間融資は、銀行や信用金庫などの民間企業が提供しています。
ほかの融資と比べると審査が厳しく設定されているものの、借り入れ額・利率・返済期間など柔軟に調整できるプランが充実しているのが特徴です。
また、仲介業者やハウスメーカーと提携している金融機関を利用すれば、利率の優遇を受けられる可能性があるため、返済負担を軽減できます。
すべての仲介業者やハウスメーカーが金融機関と提携しているわけではないので、ご自身での確認が必要です。

公的融資

公的融資は、独立行政法人が提供しています。
公務員や会社員で、財形貯蓄50万円以上かつ1年以上継続した記録があれば、「財形持家転貸融資」や「財形住宅融資」を利用できる可能性があります。
財形貯蓄とは、勤務先の用意する福利厚生の一種であり、すべての企業が取り入れているわけでないため、ご自身で確認してください。
福利厚生を通じて計画的に貯蓄を続けるだけで、低利率で借り入れできる可能性ができるので、借入ハードルが低くなります。

自治体融資

自治体融資は、各地域ごとの自治体が提供します。
すべての地域で不動産購入に使える融資をおこなっているわけではないものの、住民の住環境をサポートする目的で取り入れている地域が多いです。
ほかの融資と比べると、借り入れ可能額が低かったり、利率がやや高かったりしますが、居住年数などの条件を満たせば借り入れできます。
民間融資での審査に落ちてしまい、公的融資を利用する条件を満たしていない場合に、自治体融資を利用できるか確認してみてください。
なお、不動産購入時には諸費用も考慮することが大切です。

協調融資

協調融資は、住宅金融支援機構(公的機関)と民間企業が提携を組んで提供しています。
代表例として「フラット35」が挙げられますが、借り入れから完済まで利率が固定されていて、安定した返済計画を立てられるのが特徴です。
具体的な利率については、借り入れ先になる金融機関によって異なるので、ご自身で確認してください。
省エネ・耐震・耐久・バリアフリーなどの物件に関することで優良性能が認められれば、利率の優遇措置を受けられます。

不動産購入の住宅ローンを選ぶポイント

不動産購入の住宅ローンを選ぶポイント

数ある種類から自分に適した住宅ローンを選ぶときは、返済額に影響する項目を比較する必要があります。
一方で、総返済額を最小限に抑えようとすると、毎月の返済負担が大きくなる恐れがあるので、ライフプランにあわせた返済計画を立てましょう。
ここでは、住宅ローンを選ぶポイントについて解説します。

金利

金利が高ければ高いほど、総返済額が高くなるので、返済負担を抑えたい方は、利率の低い融資先を探す必要があります。
低利率の金融機関の特徴は、厳しい審査と優遇措置の2点です。
貸し倒れリスクを抑えるために、返済能力が乏しい債務者には高い利率を設定するケースが多いです。
利息の支払い負担を軽減したい方は、返済能力をアピールできる要素を用意しておくか、利率の優遇を受けられる金融機関を利用しましょう。

返済期間

返済期間が長ければ長いほど、利息の支払い回数が増えるので、総返済額を抑えたい方は短期間での完済を目指す必要があります。
借り入れ額が大きいにも関わらず、返済期間を短く設定すると、おのずと毎月の返済負担が大きくなるため注意が必要です。
不動産を購入したあとに、子育てや介護などでまとまった出費があるにも関わらず、返済期間を短く設定すると、滞納の原因になりかねません。
長期的な返済になるからこそ、トータルの金額だけではなく、返済期間中の金額にも着目して、返済期間を選びましょう。

返済方法

返済方法には、毎月の返済額のうち元金と利息の割合が変わらない「元利均等返済」と、毎月の返済額のうち元金の金額が変わらない「元金均等返済」があります。
完済時までの返済負担を一律にするなら元利均等返済、返済が進むにつれて返済負担を軽減するなら元金均等返済がおすすめです。
さらに、賞与がでた月のみ返済額を増幅する「ボーナス一括払い」を利用する選択もあります。
ボーナス一括払いをすれば、総返済額を減らせるので、無理のない範囲で返済時間を短縮できます。

諸費用

住宅ローンを組む際には、金融機関ごとに諸費用がかかります。
なかでも、契約手数料と保険料は振れ幅が大きいので、契約時の負担を軽減するためには注意するべきです。
最近では、民間融資を中心に、契約手続きをすべてオンラインにする代わりに、契約手数料が無料になる形式が増えています。
諸費用を最小限に抑えるなら、手数料や保険料の金額を比較しながら選びましょう。

不動産購入における住宅ローンの金利プラン

不動産購入における住宅ローンの金利プラン

不動産を購入するときに、利率の低さと同じだけ注意するべきポイントが金利タイプです。
金融市場の流れに応じて利率が変動するタイプを契約すると、契約時の利率が低くても、途中から返済負担が重くのしかかる恐れがあるためです。
ここでは、金利プランごとの特徴について解説します。

変動金利型

変動金利型は、返済開始から半年に1回のペースで利率を、5年に1回のペースで返済額を見直します。
ほかのタイプと比較すると、最初に設定される利率が低く、将来的にも金融市場の流れが高騰しなければ、返済負担は低く済みます。
近年は、比較的低金利の状態が続いていますが、将来的に多少利率が高くなっても、金銭的な余裕がある方におすすめです。
なお、ほとんどの民間融資が変動型を採用しているため、借り入れ先によっては利率の高騰リスクを避けられない可能性もあります。

全期間固定金利型

全期間固定金利型は、返済開始から完済まで利率が変わりません。
ほかのタイプと比較すると、設定される利率は高いですが、金融市場の影響を受けないため、安定した返済計画を立てられます。
近い将来の金融市場の流れは、ある程度予測できても、10年後や20年後まで的確に予測するのは困難です。
将来的に返済負担が大きくなると困る方におすすめです。
民間融資を利用したいと考えているものの、利率の高騰リスクに不安がある方は、フラット35の利用を検討しましょう。

固定期間選択型

固定期間選択型は、返済開始から一定期間は固定型が設定され、その期間が過ぎたら固定型と変動型を選べます。
将来的な金融市場の流れは、予測がむずかしい側面を持つため、返済期間中に再度金利タイプを選ぶチャンスがあるのは安心です。
固定型の期間が長いほど利率は高く設定されますが、将来的にも利率が安定していれば変動型に変えられます。
また、家族構成や仕事などライフステージにあわせて調整できるのも、固定期間選択型ならではの安心ポイントといえるでしょう。

まとめ

不動産を購入するために住宅ローンを提供しているのは銀行だけではなく、勤務先の福利厚生や自治体を活用できる可能性があります。
たくさんの種類から選択するときは、利率の低さだけではなく、返済期間や金利タイプも考慮するのがポイントです。
毎月の返済負担が大きくなりすぎないよう、ライフプランにあわせて自分にぴったりの借入先を選びましょう。