群馬県太田市にある「世良田東照宮」の魅力は?見どころやイベントをご紹介

群馬県太田市にある「世良田東照宮」の魅力は?見どころやイベントをご紹介

引っ越し後の生活において、移住先の歴史や文化にふれるのを楽しみされている方もいるのではないでしょうか。
群馬県には、歴史や文化にまつわる建造物がいくつかあり、その中に神社仏閣もあります。
そこで今回は、太田市にお引っ越しをお考えの方に向けて、世良田東照宮の概要・見どころ・イベントをご紹介します。

太田市にある世良田東照宮の概要

太田市にある世良田東照宮の概要

引っ越し後に世良田東照宮を訪れる前には、世良田東照宮の概要をチェックしてみましょう。

徳川氏発祥の地

世良田東照宮が置かれている世良田は、徳川家康の先祖が譲り受けた土地です。
もともとは新田氏だった徳川義季が徳川を名乗ったのは、この地にある利根川沿いの押切を徳川と改めたことが由来とされています。
徳川9代親氏の時代になると、徳川の地を追われ松平に名前を改めますが、これから7代後に生まれた家康が徳川の名前を復活させました。
家康が徳川の名前を復活させた背景には、世良田などの開発に尽力した先祖である義季にあやかってのことだといわれています。

世良田東照宮の歴史

世良田東照宮は、日光東照宮元社殿を移築してつくられました。
この移築は徳川3代将軍家光がおこなったもので、先祖の遺徳を受け継ぐとともに、この土地を守護する役割を持たせたと考えられています。
そもそもの世良田東照宮の始まりは、寛永16年に家康の命を受けた天界大僧正による、長楽寺の天台宗への改宗復興にさかのぼります。
日光東照宮には、2代将軍秀忠が造営した奥社があり、これを3代将軍家光が移築しました。
世良田東照宮の本殿は新築され、寛永21年の10月には正遷宮が大々的に斎行されています。
同じ年の12月には、群馬県の神社のなかでも高禄となる200石の御朱印が寄せられるなど、その規模の大きさがうかがえます。

世良田東照宮で見られるもの

世良田東照宮には、歴史的建造物や宝物が多くあり、重要文化財に指定されるものも少なくありません。
お引っ越し後に世良田東照宮を訪れるならば、墓所や中世の遺跡などを訪れてみましょう。

●所在地:太田市世良田町3119-1
●営業時間:4~10月 9:00~16:30、11~3月 9:30~16:00
●アクセス方法:東武伊勢崎線「世良田駅」から車で約4分、レンタサイクルで約20分
●駐車場:あり(約200台)

太田市にある世良田東照宮の見どころ

太田市にある世良田東照宮の見どころ

徳川氏ゆかりの世良田東照宮には、多くの見どころがあります。

重要文化財に指定された建造物

世良田東照宮の建造物のなかで重要文化財に指定されているのは、本殿・唐門・拝殿です。
日光東照宮から移築された唐門・拝殿以外に、当時は木造多宝塔が移築されましたが、こちらは明治の廃仏毀釈により取り払われています。
また、附鉄燈籠や棟札などが、重要文化財として指定されています。
このなかの附鉄燈籠は、日本一大きい鉄燈籠です。

重要文化財に指定された絵画・工芸品

世良田東照宮には、建造物以外にも重要文化財に指定されたものがあります。
絵画では、板面著色三十六歌仙図が県の重要文化財です。
こちらが作成されたのは寛永19年頃とされていて、狩野安信・秀信・長信の3人の手による作品とされています。
すぐれた歌人を描いた三十六歌仙の絵画は、とくに江戸時代の東照宮の拝殿に多くかかげられたといいます。

重要文化財に指定された刀

世良田東照宮には、後水尾天皇により寄進された太刀が伝わっています。
この太刀を作成したのは、京都山城の刀工である了戒です。
柄巻やさやの部分にあたる拵は約1mあり、菊御紋散らしの蒔絵がほどこされた豪華なものです。
現在では、太刀の刀身は群馬県立歴史博物館に収蔵されていて、拵のみ世良田東照宮の陳列館に展示されています。

重要文化財に指定された遺跡

建造物や太刀だけでなく、世良田東照宮で重要文化財に指定されているのは遺跡です。
新田荘遺跡は、広域に存在する複数の中世遺跡を荘園として1つの史跡にしたものです。
世良田東照宮の境内にあるのは、長楽寺5世住持月船琛海の塔頭で、月船の遺骨と弟子6人の遺骨が納められています。

彫刻「巣籠りの鷹」

世良田東照宮でとくに有名なのが、本殿にある彫刻の巣籠りの鷹です。
この彫刻は、左甚五郎作、狩野探幽画として知られています。
本殿を訪れるならば、この巣籠りの鷹を探してみましょう。

御黒門

世良田東照宮の東側に位置する御黒門は、縁結びの門として知られています。
世良田東照宮の創建当時は特別な日しか開門しない場所でしたが、現在ではこの門をとおり参拝ができます。

宝物館

世良田東照宮には、家康や東照宮にまつわる資料を納めた宝物館があります。
宝物館では、社殿とともに世良田東照宮にもたらされた家康公着初めの鎧・棟札・神宝類などを見学できます。

桜の名所

世良田東照宮は、春になると多くの桜が咲き誇ります。
地域の方からは桜の名所として親しまれていて、参拝を兼ねてお花見に訪れる方が後を絶ちません。
隣接する文珠山には新田氏の墓所や古墳があるほか、すぐ隣には太田市歴史公園があります。
世良田東照宮までお花見に訪れるならば、周辺の関連施設まで足をのばしてみるのがおすすめです。

御朱印

世良田東照宮に参拝したら立ち寄りたいのが、御朱印の授与所です。
世良田東照宮の御朱印は、徳川家にまつわるデザインに特徴があります。
右上に徳川家の家紋である三つ葉葵が押されていて、徳川氏発祥の地の印も押されます。
このほかにも複数の御朱印を押してもらえるので、最新の情報を現地でチェックしてみてください。
また、世良田東照宮では、オリジナルの御朱印帳があるので、興味のある方はそちらも押してもらうと良いでしょう。

太田市にある世良田東照宮のイベント

太田市にある世良田東照宮のイベント

世良田東照宮には多くの見どころがあり、たくさんの方が訪れますが、とくに賑わうのがイベントの開催時です。
世良田東照宮ではどのようなイベントがあるのか、節目ごとに見てみましょう。

例大祭・葵まつり

毎年4月17日におこなわれるイベントが、例大祭です。
世良田東照宮の例大祭がこの時期におこなわれるのは、元和2年の4月17日に徳川家康が薨去された節目であるためです。
4月17日の例大祭において昇殿参拝できるのは、三ツ葉葵会会員や神社関係者のみとなります。
一般の参加者は、玉垣の外からの拝見のみです。
ただし、多くの方が参加できるイベントとして、毎年4月の第1日曜日には、葵まつりが開催されます。
この葵まつりは、昭和56年から始まった付け祭りで、境内の桜やフタバアオイが芽吹く時期と重なるイベントです。
過去には、琴の演奏や茶道会などがおこなわれたほか、四篠流保存会による包丁儀式がおこなわれました。

初詣

世良田東照宮の初詣は、元日午前0時に打ち上げられる花火とともにスタートします。
初詣の列は本殿まで続き、平和の象徴である彫刻「巣籠りの鷹」を見ながらの参拝となります。
巣籠りの鷹は、家内守護の御利益があるとされていて、初詣で手を合わせる方が少なくありません。
参拝後には、境内で甘酒のふるまいがあるほか、年明うどんのふるまいもあります。

除魔神事

正月3が日を過ぎたタイミングでおこなわれるのが、神聖な弓矢を射る徐魔神事です。
宮司家に江戸時代より伝わる土御門家の秘伝を昭和55年に復興したもので、的に矢が当たると吉とされています。

御釿始め式

除魔神事の翌日におこなわれるイベントが、御釿始め式です。
別名手斧始め祭りといわれるように、社殿造営など建設にまつわる儀式となります。
この御釿始め式は、世良田東照宮創建の寛永21年から始まり、明治に途絶えたものを昭和56年に復興したものです。

まとめ

太田市にある世良田東照宮は、徳川家発祥の地に日光東照宮奥社を移築してつくられたものです。
世良田東照宮には多くの重要文化財があり、有名な彫刻や春の桜などとともに、訪れる方の目を楽しませています。
春の葵まつりや正月の神事など、世良田東照宮のイベントもチェックしてみてください。